ホテルマンの裏話 札幌編 1

札幌駅に近いシテイ−ホテル(1982年〜1998年)を早期退職後 1999年9月よりススキノのビジネスホテルに再就職しました。

現在の札幌市内ホテルの動向について個人的な独断と偏見で思いつくまま記します故意義が有りましてもお答え致しかねます事をご了承下さい。

バブル期の札幌ホテル業界はご多分に洩れず大変な盛況でした。航空会社、旅行エージェント、にとって高額商品を作り販売すればどんどん売れた笑いの止まらない時期ではありました。

全国でもトップクラスの稼働率を誇る札幌市内ホテル群ですが現状は宿泊単価のダウンによる客室収入減と不況風がより強い地元マーケットを対象とする宴会部門の不振で近来に無い厳しい時代に直面しております。

そんな時に裏話など不謹慎とお叱りを受けるやも知れませんが早く書けと言うネット仲間の声が多くお話しさせて頂く事にしました。

伊豆 下田編 札幌編 2

●札幌市内ホテルパンク事情〜1999'12.5.

北海道への旅行は飛行機の利用が大半を占めます、従って航空会社の政策が観光業界に大きな影響を及ぼします。

北海道と沖縄がエアーライン主導エリアと呼ばれる所以です。

飛行機による旅行が一般化し全国から北海道周遊ツアーが人気を呼び特に羽田〜札幌線はドル箱路線となりました。

旅行会社が予め飛行機の座席とホテルの部屋を仕入れパック商品を作り販売する方法が旅行費用を低くし、気軽に旅行出きる状況を知らしめ、多くの利用者に結び付いています。

標題のパンク事情とはホテルのオーバーブッキングを言いますが、何故起きるのかご理解頂く為長くなりますが上記の背景を念頭に置いて頂き説明して行きます。

ホテルは独自の会員組織、保有室数、ハード、立地条件等々によりそれぞれの客室販売方針を建て各旅行エージェントに部屋を提供します。

札幌のホテル群は全国的にも旅行会社への依存度が高く大変重要な課題です。

問題は1年を通じてコンスタントに提供した部屋が予約されれば良いのですが旅行エージェントの集客もそう簡単に都合良くは行きません。

利用者は数多い旅行商品の中から自分の希望に添ったものを選ぶ事でしょうし季節やお休みの曜日等々でその日により大きな波が生じます。

一方部屋を売って収入を得るホテルとしては空室数を少なくする努力が求められます。

そこで自ホテルの保有室数以上の部屋の提供をせざるを得なくなりオーバーブッキングの可能性を作ってしまう事になります。

パンクする日はエリア全体に宿泊客が多数来るからであり大きな大会や学会が開催される日が要注意です。

部屋のコントローラーは常に先の予約状況(エリア全体)や旅行会社の集客状況の情報を集め事前の対処を図ると共にパンクのデメリット(旅行業法の改正による利用者への配慮)を承知し効率的客室販売に日夜努力する事になります。

オーバー数が多い場合は団体客に他のホテルへお願いするケースが良くあります。

さて、もし一つ一つ足し算で予約を受けて行くやり方を取れば他ホテルよりかなり低い稼働率を覚悟しなければならないでしょう。

ホテルの一担当者として構造的な背景の一端をご理解頂けますよう又、過去に予約条件と異なる他のホテルへの宿泊をお願いされ経験された方々には心からお詫び申し上げます。

このテーマは現在は少なくなってるが現実に発生して居る事実で今後も何処かのホテルで何方かに、ご迷惑をお掛けする可能性が否定出来ません。

ですから面白さを主題に置くと、叱責では済まされない事態も考慮しなければならないと考えます。

一方的ホテル側の落ち度に憤懣やる方無いお客様との対処方、数々の逸話を掲載をすべきか悩んで居ります。


● ハロ−ワークの ホテル スクール講師 〜2000’7.

職業訓練の一環で 3ヶ月間にわたるホテルスクールが新設され 札幌市内のホテルマン(現役 OB )が各部門の講師を務めホテルでの実習も含まれています。

色んな理由で失業中の 18名の受講生(内男性2名)は20代〜50代と巾広く就職の為の知識を吸収しようとする熱意を感じました。

ホテル業界の実情は中途採用が困難な事は重々理解している受講生の方々に 私は受け持ちの2時間を 体験談を通じたお話しをました。

ホテルに就職出来る可能性が少ないとは言え接客業に携わるチャンスは多いと思われ、

10分程の質問時間での『お給料は誰から貰うか?』と言うお客様商売としての働く側の心の話がうけてました。

昨年同じハローワークのホームページ作りのスクールで勉強した事が再就職後も活用出来ている自分の体験上からも受講生にとって意義の有る訓練になればと願いつつ私の講義は終了しました。


● ホテルマン受難の時代 NO1 〜2000’7.

それにしても厳しい時代になってしまいました。

札幌市内ホテルは 夏の稼ぎ時は周遊ツアー客に依存して来たが個人団体共に不調で収入減の主要因となっている。

ここ数年宿泊単価は下降気味であったが 高稼働率実績は続いていた、しかし今年は稼働率をも下げてしまっている。

当然一層支出の見直しがされ特に人件費がいじられ「ホテルマン受難の時代」となっている。

働き盛りで退職したホテルマンが早く再就職出来る世情の変化は望めないのか・・・

ホテル業界だけでは無いこの状況は一体何時まで続くのやら・・・


● ホテルマン受難の時代 NO2  〜2001,1,1.

* ホテルの中間管理職に携わった者として苦境の札幌市内ホテルの諸々(私の聞いた範囲と推測です) について思う事を感覚的に記してみます。

予めお断りしますが個人的に独断と偏見で記します故 意義が有りましてもお答え致しかねます事をご了承下さい。

  ○ 婚礼はハードが全て

それにしても札幌の特に若い人達は新しい物が好きなようです。

新規オープンするホテルは確かに今風な設備を整え綺麗で見た目は格好良いが・・・古く重々しい落ち着きのある格調有るホテル、 そして何と言ってもホテル側から思えば長い間築き上げた上質なサービスは評価されなくなってしまったように見える。

如何に料飲収入比率の高いホテルであっても簡単にハードの改装も出来ず価値観の相違と言ってかたずけられない深刻な悩みである。

長年のお付き合いやセールスの効果が期待出来る一般宴会が減少している実情は正しく八方塞がりの感が有る。

しかし歴史が有りノウハウが有ると思われて居た大型ホテル群(チエーン展開している)はこの状況を予測出来なかったのだろうか?

収入が下がって来たから人件費を減らすためリストラで対処しヘルプ要因に依存し社員の加重労働からサービスの低下を招く悪循環 が多いようだ。

既存ホテル間の婚礼件数の比較等に終始してる間に新規ホテルが一人勝ちでは釈然としないと思うのは私だけなのだろうか?

既にいろいろ工夫していると思うがこれといった効果を聞かない。

じゃーどうしたら良いの?と問われてもホテル毎の事情(立地条件 ハードの規模 築年数 等々)で対処しなければならないのでは・・・

 ○ 宿泊単価に見合うサービス

元々180万都市のシテイーホテルとわ言え、宿泊収入は周遊ツアー客からの収入比率が高く 首都圏を中心とした全国のエアライン やエージェントからの集客に依存するマーケットで有り 販売委託先の意向を汲まざるを得ない状況が 夏季と冬季の宿泊単価の差が 顕著なエリアを生じさせたと考える。

大半のホテルが上限に近いと思われる稼働率の中 バブル以後毎年単価の低廉化が続きその分減収傾向に有ると思考する。

この状況では最早 (海外や国内各地との競合を踏まえた上でのサービス水準維持を念頭に置き) エリア内ホテルが自然発生的に部分的サービスのカットは致し方ないと考える。

利用者からもコストパフオーマンスの同意を得られないだろうか?

*ホテル協会加盟クラスのホテルと加盟していない同レベルホテルそしてビジネスホテルの料金格差が狭まっている事に起因し当面を乗り切る暫定的な考えです。


● インターネット活用 〜2001,1,2.

観光業界にもインターネットの波が押し寄せて来たが果して市内ホテルは上手に活用出来ているのでしょうか?

答えはNO 未だ発展途上である。

成る程各ホテル ホームページは作ったものの大半は紙のパンフレットからPC画面に変っただけの状態と見受ける。

確かにページ数も多く画像を使い利用者にとって施設のインフォメーションが分かり易くはなっているが・・・

プロの業者にホームページを作らせ納品されたらそのままのページが多く見受けられるのである。

新しい企画商品が出来てもその都度業者にページ追加を依頼するのではコストが掛かってしまう事も有り消極的になってしまう。

業者に全てお任せ形式や チエーン本社で統括するお任せ形式ではホテルの個性表現やスピード面で利用者に訴えるホームページ として弱いと私は思う。

 ○ 私からの提案

ポイントはホテルにホームページの更新テクニック PCに精通したスタッフを早く育て常に利用者に新しい情報の発信が出来る体制を整える事に有る。

・宿泊部門

実情ではネット販売による売上は低い故 積極的になり難い面もあるが 航空運賃を主とする個人手配のデメリットが解消されて来る に従い直接予約客の比率は益々高まってくる事が予測される。

一人勝ちの「旅の窓口」に続き頻繁に来る大手サイト加盟依頼引き合いは 旅行会社が主体だった担当者にとって勝手の違う業務の増加 を招き戸惑っている実情が窺える。

又 ネット予約の増加予測を証明するのが大手旅行会社のこの分野への相次ぐ参入と言える。

予約画面上で売りたい日だけを空けて受注する方式はホテルにとって誠に有り難いが現状はそんな虫の良い実績には繋がっていない。

(この方法で高稼動率が得られるのなら冒頭の部屋のパンクは起こらないのだが・・・)

一方 未だ圧倒的送客量の有る旅行エージェントが 各ホテルより仕入れた部屋の在庫をどう活用し「旅の窓口」を代表とするネット予約 サイトに対抗して行くのか 店頭販売からの移行は?波紋は大きい。

同業他社のネット上販売価格や空室状況を常にチエックする作業や 独自ホームページに予約受け付け画面を設置しEメールにての確認や セールス等々かなり人手や時間のかかる業務が求められてきた。

・料飲部門

最もPC精通者が求められる分野であり地元のネット利用者への情報発信により即効性が期待出来る。

特に新聞雑誌媒体の効果が顕著な女性客のPC愛好者が増えて居る事は今後の集客にどう作用するか興味深い。


伊豆 下田編 札幌編 2
「札幌ホテルマン情報」