社団法人 北海道開拓記念館 開拓の村 文化振興協会 機関紙
「とどまつ」に掲載された 北川芳男支部長の寄稿文です。

伊豆「豆陽学校」と北海道

北川芳男

わが母校、静岡県立下田北高等学校の2年生143名、教師14名が昨年12月24日から3泊4日の日程で、同校としては始めて北海道の修学旅行にやって来た。
 下田北高等学校は、十勝開拓の祖である依田勉三の長兄・佐二平が明治12年(1879年)に創立した「私立豆陽学校」が前身である。
その開校時に教鞭を執ったのが勉三(日本外史)と後に教員を辞職して勉三とともに「晩成社」を創設し十勝原野の開拓に挑戦した渡辺勝の2人であった。
そしてこの修学旅行は「至誠報恩」「天城てんじょうゆうひ雄飛」すなわち何事にも誠実で有用利他の人材たれ、志は天城(山)を越えて雄飛せよ!という建学の精神を十勝野に挑んだ勉三から学ぼうと計画されたものである。
 修学旅行の実施に当たり学校では、平成14年度から始まる「総合学習」の試行も兼ねて、1学年の2学期から事前研修に入り、教師と生徒が一体となって勉三や晩成社については勿論北海道に関する基本的な知識を深めるため1年間にわたりユニークな研修を展開させた。
 それらは、勉三の出身地・西伊豆松崎町へ依田家の歴史を訪ねる遠足、修学旅行便り「北遊」の発行(出発までに5回)。
「北海道」と入った製品のロゴ・パッケージの収集や北海道に関する新聞記事のスクラップ作成。
”蟹は味はひて食ふべし””頑張れ!雪印”など興味有る12課題の「北海道を知る」講義、『拓聖依田勉三と晩成社の人々』のリレー読書。
「現在の十勝を知る」グループ別調査(調査項目は地形、気候、生物,地誌、産業、農業、歴史、スポーツ、芸術、文学、教育、有名、著名人)。
研修成果の文化祭(5月)での発表などである。
こうした過程で私も学校から招かれ全校生徒に「北海道、北と南の交差点」と題する講演と理数科の生徒を対象とした授業をしてきた。
 生徒たちは、この修学旅行を通して伊豆とは全く違う北海道の自然の厳しさ、スケールの大きさに驚きながら、勉三たちのすさまじい努力や苦労を垣間見て、事前研修で学んだ北海道の歴史や文化などについて肌で感じ取ったに違いない。
 この修学旅行は、温暖な南伊豆に育った若者たちに、北の自然や文化への目を開かせただけでなく、逆に、北海道でそれぞれの生活を展開している同窓の人々の新たなつながりを生み出したのである。
それは、豆陽中学・下田北高の同窓会「豆陽会」北海道支部の誕生である。
 創立123年を迎えた下田北高の若者たちを、依田勉三が南から北へ呼び寄せ、その若者たちが、北の同窓生へ忘れかけていた南を意識させた。
それはまさに、歴史が息づくロマンである。北海道と伊豆を結ぶ新しい交流の輪を広げたいものである。
なお、「豆陽会」北海道支部のホームページ乞参照
http://www.kidoairaku.com/touyoukai.htm



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